秋晴れの山中湖ツー

9月は、まさに「お預け」の1ヶ月でした。 週末を迎えるたびに狙いすましたかのように降る雨。ガレージで眠る愛車を横目に、何度ため息をついたかわかりません。
そんなフラストレーションを抱えたまま迎えた、10月の3連休。 空は見事な秋晴れ。「今日走らせなくて、いつ走るのか」と、静かに胸を躍らせながらエンジンをかけました。
とはいえ、世間も同じ秋晴れを待っていたはず。連休の高速道路に乗れば、待っているのは地獄の渋滞です。ここは無理をせず、大人の余裕を持って「ひたすら下道をトコトコ走る」ルートを選ぶことにしました。
道志みちを抜け、いつもの富士山へ
まずはライダーにはおなじみの道志みちを抜け、山中湖方面へ。 目指すは、いつも立ち寄るお気に入りの富士山撮影スポットです。
ヘルメット越しに見えたのは、雲ひとつない青空に映える雄大な姿。 まだ初冠雪前で黒々とした山肌でしたが、その凛とした佇まいはやはり別格です。思わずバイクを止め、しばらく無言で見入ってしまいました。9月の憂鬱が、一気に吹き飛んでいくのを感じます。
湖畔の混雑を避け、ワインディングの大月へ
せっかくなので山中湖をくるりと周遊しようと試みましたが……湖畔に近づくにつれて車の大列。
「これは深追いする場面ではないな」と判断し、早々に撤退。混雑を察してしなやかにルートを変えるのも、ソロツーリングの醍醐味です。
舵を大月方面へと切り替えると、これが大正解。 車通りの少ないワインディングロードを、自分のペースで軽やかに流します。エンジン音と秋の風を感じながらコーナーを抜けていく時間は、まさに至福でした。
山梨の秋をいただく
走ってお腹が空いてきたところで、ランチは山梨名物の「ほうとう」を。 熱々の鉄鍋から汗をかきつついただく太麺と、かぼちゃの優しい甘み。身体の芯まで満たされる美味しさです。
食後は自分へのお土産として、旬のシャインマスカットを購入。リアバッグに大切に収め、秋の味覚もしっかり確保しました。
名勝・猿橋で試される度胸
帰路の途中で立ち寄ったのは、日本三奇橋の一つ「猿橋」。
木造の美しい構造美を鑑賞しようと橋の上に立ち、ふと眼下を覗き込んだのが運の尽きでした。
……思っていた以上に、高い。
何を隠そう高所恐怖症の私。さっきまでバイクで心地よく風を切っていた度胸はどこへやら、その場で膝が笑い出し、足がすくんでしまいました。風情を楽しむ余裕もなく、へっぴり腰でそっと引き返したのはここだけの話です。

締めは酒饅頭、そして無事帰宅
冷や汗をかいた後は、上野原の名物「酒饅頭」で糖分補給。 蒸したての温かいお饅頭から香るほのかな酒粕の匂いに、猿橋で縮み上がった心がじんわりと解けていきます。
夕方には渋滞に巻き込まれることもなく、無事に自宅のガレージへ帰着しました。
